今日は仕事ですっごく疲れたけど、
時折思い出す昨日のおばあちゃんが、
私のハートをレンジでチンするチンチンポテト。
おばあちゃん、
すっごくカワイイ人で、
自分の体験談話し出したら止まらなくって。
「ある夜ね、ご飯食べてくつろいでたら、
花嫁さんが泣きながらやってきたのよ。
明日結婚するのにケーキが・・・って、
持ってきたそのケーキが、ぐっちゃぐちゃなの。
完全に崩れちゃってて、
何とかならないでしょうか、
明日式なんです、って。
もうそのケーキ見て私もビックリで、
どうしちゃったのかしらないけど、
これはもう修正のしようがないわって言ったの。
花嫁さんが泣き続けるから、
冷蔵庫に今ケーキがいくつかあるから、
あなたの希望通りのものができるかわからないけど、
私ケーキ飾りましょうかって言ったの。
好きなお花があるかどうか分からないけど・・・って。
チューリップならあるけどって。
そしたら彼女、チューリップが本来はよかったのに、
頼んだケーキ屋さんはチューリップなんて今の季節ないって、
そう言ったっていうのよ。
本当はあるのに、なんでないなんて言ったのかしらね。
しかもあんな崩れちゃうようなケーキ作って。
まぁそれはいいとして、
彼女がやっと泣き止んだんだけど、
その時すでに9時くらいで、
彼女は明日のお昼、
シドニーから南へ4時間くらい走った小さな街で式を挙げるって、
だからやっぱり無理ですよね、ってまた涙目で言うのよ。
だから私、
絶対に間に合わせてみせるわって言ったの。
それで私その夜は一睡もせずに、
明け方までケーキの飾りつけをしたのよ。
そして翌朝ちゃんと花嫁にケーキを届けたの。
それでその後二人はパリに新婚旅行に行ったんだけど、
パリからすっごく素敵なお花が届いたのよ。
そこのテーブルに乗らないくらい、
こーーんな大きな花。
どっかに写真があったはずだわ・・・。
どこだったかしら・・・。
どっかにあるはずよ。ほんと大きかったんだから。」
まぁ、なんて素敵なお話!
なんて大袈裟に相槌をうって、
カバンを膝の上において、
腰をあげようとすると、
「こないだなんてね。
2002年にケーキ作ってあげた人から連絡あったの。
2002年よ、7年前。
お店の名前も私の名前も忘れちゃった人が、
どこからか私のメールアドレスを調べてきて、
多分インターネットでしょうね。
イエローページが今インターネットで見れるんでしょう?
多分それで見つけたのよ。
そしたらメールの内容がね、
すごい坂道に住んでますか?
だって。
もうみんなで大笑いしたわ。Tedも大笑い。
でね、坂道の赤いレンガのお家に住んでます。
って返事したの。
そしたら、間違いないです!って。」
・・・などなど。
おばあちゃん可愛くって。
Tedって誰やねん!
ああ、ツボだらけ。可愛い。
泣けてきちゃう。
イメージ的に、
魔女の宅急便の、
ニシンのパイをキキに配達するよう頼んだ、
あのおばあちゃん。
魔女の宅急便は私の大好きな映画。
大好きっていうか、
セリフもほぼ暗記してくるらいの次元。
18で一人でシドニーで暮らし始めて、
30になった今まで、
何度も救われてきた映画。
くじけそうな時、寂しい時、
夜宿題してるとき、
なんか常にビデオテープが擦り切れるほど、
魔女の宅急便が何度も上映されてた。
DVD買ってからも何度も観た。
おばあちゃんの話聞いてたら、
自分がキキなんじゃないかと思えてきた。
隣にちょこんと座ってるのは
出会いって素敵だなー。
なんか、こんな風に、
お年寄りには時々癒されます。
キキになった気分だったな♪
この後車の中でずっと、
「ルージュの伝言」リサイタル。
でもこの歌詞全然魔女の宅急便に合ってない(笑)。